高大接続改革の進捗状況について(5)


前回引用した、文部科学省高等教育局大学振興課の山田泰造 大学入試室長(当時)は、『動き出した大学入学者選抜改革(リクルート カレッジマネジメント 207 / Nov. – Dec. 2017)』のなかで「(2)調査書や提出書類等の見直し」として、「調査書や提出書類のあり方についても、学力の3要素を多面的・総合的に評価し、その評価が大学教育にも十分に生かされるようにする観点から、改善を図ることとしている。具体的には、調査書について、現行の「指導上参考となる諸事項」の欄を拡充し、①各教科・科目及び総合的な学習の時間の学習における特徴等、②行動の特徴、特技等、③部活動、ボランティア活動、留学・海外経験等、④取得資格・検定等、⑤表彰・顕彰等の記録、⑥その他の項目ごとに記載する欄を分割し、より多様で具体的な内容が記載できるようにする。また、推薦書において学力の3要素の評価に係る記載を必ず求めるとともに、活動報告書等の志願者本人が記載する資料等についても、記載内容や様式のイメージを例示しつつ、大学に積極的な活用を求めることとしている。さらに、調査書等の電子化について、現在委託事業で行われているシステム(JAPAN e-Portfolio)や評価方法のモデル開発等の状況も踏まえつつ、引き続き検討を進める。」(一部加筆修正)としています。

参考資料として、平成30年10月22日に文部科学省から発表された、「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告の改正について(通知)」から関係する事項を抜粋(一部加筆修正)します。

下記URLの文書p.8以降をご覧ください。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1397731_03.pdf

(1)調査書の見直し ※別表1参照(下載)

【指導上参考となる諸事項】

○ 生徒の特長や個性、多様な学習や活動の履歴についてより適切に評価することができるよう、現行の調査書の「指導上参考となる諸事項」の欄を拡充し、以下の①~⑥の項目ごとに記載する欄を分割して、より多様で具体的な内容が記載されるようにする。

①各教科・科目及び総合的な学習の時間の学習における特徴等

②行動の特徴、特技等

③部活動、ボランティア活動、留学・海外経験等

④取得資格・検定等

⑤表彰・顕彰等の記録

⑥その他

※生徒会活動や学校行事など特別活動における生徒の活動状況については、「特別活動の記録」に記載する。

○ その際、実施要項の「調査書記入上の注意事項等について」に以下の内容を記載する。

③については、部活動やボランティア活動等の具体的な取組内容、期間等

④については、専門高校の校長会や民間事業者等が実施する資格・検定の内容・取得スコア・取得時期等

⑤については、表彰や顕彰等に係る各種大会やコンクール等の内容や時期等また、国際バカロレアなど国際通用性のある大学入学資格試験における成績や科学オリンピック等への参加歴や成績など社会的に評価される活動の実績、生徒が自ら関わってきた諸活動、生徒の成長の状況に関わる所見なども記載が望ましいものの例として示す。

○ 大学において、上記以外の多様な学習や履歴等を入学者選抜に用いる場合は、大学で評価する内容をどのように調査書に盛り込むべきかといった記載方法等につき、募集要項等にできる限り具体的に記載するようにする。

○ 調査書の様式は、現行では裏表の両面1枚となっているが、この制限を撤廃し、より弾力的に記載できるようにする。

【「評定平均値」の取扱い】

○平成32年度(令和2年度)~:高等学校での学習成績を全体的に把握する趣旨を明確にするため、「評定平均値」の呼称を「学習成績の状況」に改める。

○平成36年度(令和6年度)~:次期学習指導要領に基づく指導要録の見直しを踏まえ、調査書の様式を見直す際、従前の「全体の評定平均値」の記載欄のさらなる見直しを検討する。

【活用の在り方】

○今後、各大学の入学者受入れの方針に基づき、調査書や志願者本人の記載する資料等を「どのように」活用するかを各大学の募集要項等に明記することとする。

○ 調査書等の活用に当たり、「総合型選抜」及び「学校推薦型選抜」を中心に、各高等学校が定める学校運営の方針及び学校設定教科・科目等の内容や目標等に関する情報を、各大学が必要に応じ提供を求めることができる旨、実施要項に明記する

※上記と併せて、いずれの入試区分においても、生徒の多様な能力や個性の評価の観点から、実施要項において、次のように記載する。

「学習成績の状況」だけでなく、部活動やボランティア活動、特別活動の記録や総合的な学習の時間の内容・評価など、調査書の他の記載事項も有効に活用する

・ 大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる。

・ 卒業認定・学位授与の方針や教育課程編成・実施の方針を踏まえ、大学が指定する特定の分野(例:保健体育、芸術、家庭、情報等)において、特に優れた学習成果を上げたことを調査書の備考欄に記載するよう求めることができる。

(2)推薦書の見直し

○ 推薦書を求める場合、単に本人の長所だけを記載させるのでなく、実施要項に、以下の内容を盛り込む。

入学志願者の学習や活動の成果を踏まえた「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」に関する評価についての記載を必ず求めることとすること

・その際、生徒の努力を要する点などについても、その後の指導において特に配慮を要するものがあれば記載するよう求めること。

(3)志願者本人の記載する資料等

○ 実施要項に、以下の内容を盛り込む。

① 活動報告書を活用する際には、高等学校までの学習や活動の履歴が把握できるようにするため、例えば、以下のような内容の記載を求めるとともに、様式のイメージを例示する。

※別表2参照(下載)

・「総合的な学習(探究)の時間」等において取り組んだ課題研究等

・ 学校の内外で意欲的に取り組んだ活動(生徒会活動、部活動、ボランティア活動、専門高校の校長会や民間事業者等が実施する資格・検定等、その他生徒が自ら関わってきた諸活動、各種大会・コンクール等、留学・海外経験等、特色ある教育課程を実施する学校における学習活動等)

② 大学入学希望理由書や学修計画書を活用する際には、各大学が、学部等の教育内容を踏まえ、大学入学希望者に対し、入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等を記載させる。

③ 活動報告書、大学入学希望理由書や学修計画書等、大学入学希望者本人が記載する資料の積極的な活用に努める。特に総合型選抜や学校推薦型選抜において、これらの資料に関するプレゼンテーションなどにより積極的に活用する。

④ 芸術系などにおいて実技に関し評価を行う場合には、必要に応じ、活動報告書、大学入学希望理由書や学修計画書を積極的に活用する。

⑤ 各大学の入学者受入れの方針に基づき、調査書や志願者本人の記載する資料等をどのように活用するのかについて、各大学の募集要項等に明記する。(再掲)

(4)調査書等の電子化について

今回の大学入試改革では、学力の三要素のうち「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」(主体性等分野)の評価について、「調査書」や「提出書類(活動報告書等)」等の活用が検討されています。

※ 別表1


※ 別表2


※ 別表1・2のPDFファイルです。

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現在、文部科学省より「令和3年度大学入学共通テストの受験日に関する意向調査」の依頼があり、進路指導部・担任の先生方を通じて3年生の皆さんに調査を開始しているところです。

文部科学省・府教育庁や大学・教育産業等からの情報を正確につかみ、次回はあと半年後に迫った大学入学共通テスト、一般選抜(一般入試)について整理したいと思います。